最近、「食の健康、環境、安全・安心」に繋がるこれからの技術として「過熱水蒸気による調理/食品加工技術」が話題となっています。本技術はまだ、未知の領域も多く、その可能性を探求していくことにより国内産業の活性化に繋がる期待が持たれており、産学官が協力してこの研究を行うことが必要との声が上がっております。平成19年度より産業界と、大学などの研究機関が集まり、本技術の研究会を発足し、第1期(平成19年度~平成21年度)、第2期(平成22年度~平成23年度)、第3期(平成24年度~平成25年度)の活動を終了致しました。この度、第1期および第3期の成果を踏まえ、さらに、ステップアップすべく研究会活動を開始致しましたので、ぜひご参加のご協力をよろしくお願い致します。
【背景と目的】
近年「ロハス(Lifestyles Of Health And Sustainability)」という生活スタイルに関心を持つ人が増えています。自分の体と心、地球の環境を大切にする価値観と行動を指します。体に本当にいいものを食べ、自分のできる範囲で環境を意識しながら暮らす。そんな肩ひじの張らない暮らしからロハスは始まります。
本研究会では、第1期(平成19年度~平成21年度)において、このようなロハス的生活を助けるための技術として注目を集めている「過熱水蒸気による調理/食品加工技術」の特長を生かすことにより、食の「健康」「安全・安心」「省エネ・省資源」をコンセプトにした新しい調理法や食品加工法の可能性について、様々な観点から追求してきました。
第2期(平成22年度~平成23年度)では、「過熱水蒸気技術」を中心にして、「低温スチーム」「アクアガス」「減圧/加圧加熱」「遠赤外線加熱」などの周辺技術要素を取り込み、さらに食材の持つ多様性の検証を行い、具体的な新規事業・商品・サービスならびに食生活の創出を目指してきました。
第3期(平成24年度~平成25年度)では、過熱水蒸気を分子調理と言われるまでに進化させ、健康調理科学を目指し、装置・過熱水蒸気の特性研究(省エネ、加工特性)、レホロジー・テクスチャー及び咀嚼と嚥下の効果など体に入れる前の効果(調理・加工)、さらには食品の前脳感覚、アレルギー、免疫などの食品機能性(口に入れてから)を科学することを目標としました。 また、あくまで企業の製品開発の訴求に貢献することを目的としてきました。
第4期(平成26年度~平成27年度)では、これまで培ってきた技術やノウハウに過熱水蒸気を分子調理と言われるまでに進化させ、健康調理科学を目指し、装置・過熱水蒸気の特性研究(省エネ、加工特性)、レホロジー・テクスチャー及び咀嚼と嚥下の効果など体に入れる前の効果(調理・加工)、さらには食品の前脳感覚、アレルギー、免疫などの食品機能性(口に入れてから)を科学することを目標の継続とともに、さらに環境保全の面からも資源を有効に利用する技術として、省エネルギー的な加工技術や、今まで利用できなかった資源利用技術として活用することで、企業の精神(製品)開発の訴求(へ)の貢献とビジネスイノベーションに繋がることを目的とするものであります
【目的】
・過熱水蒸気による新しい事業、商品、サービス、並びに食生活の創出
・新たな研究による作用、効果の発見およびメカニズムの解明
・上記の目標達成のため、 異業種交流による創造的知見の発展・融合(研究成果の応用)、
あるいは、協業、共同開発等のきっかけ作りの場の提供
【活動内容】
・研究者等による話題提供(原理、効果・効能、安全・安心、健康、食育、
殺菌、おいしさ等)
・実施例紹介(食品加工・製造、新素材の開発への応用等)
・見学会(試食会等)
・調理デモンストレーション、実機テスト
・共同開発提案
・産官学連携による公的な競争的資金を活用した研究開発プロジェクト、
コンソーシアムの企画・提案
・研究委託(大学、公的研究機関へ)
・新規ビジネスモデルの提唱
・分科会(展開の必要に応じて)、コワーキングシステムの導入、他研究会
との共催など
・交流会、名刺交換会
【活動成果】
平成24年度モノづくり中小企業・小規模事業者施策開発等支援補助金に3件採択
されました。
具体的には、
①過熱水蒸気のハード面の開発、
②過熱水蒸気の利用の深化、
③過熱水蒸気の新規用途開発 など
【主査】
宮武 和孝 帝塚山学院大学 人間科学部 食物栄養学科 教授
大阪府立大学 名誉教授
【学識委員(平成26年04月時点)】 五十音順表記
乾 博 大阪府立大学 地域保健学域 栄養療法学専攻 教授
井上 正康 大阪市立大学 名誉教授/健康科学研究所 所長
伊與田浩志 大阪市立大学大学院 工学研究科 機械物理系専攻 准教授
榎本 俊樹 石川県立大学 食品科学部 食品機能系 教授
金沢 和樹 神戸大学 名誉教授/吉備国際大学 地域創成農学部 教授
酒井 昇 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 教授
鈴木 寛一 広島大学 名誉教授
五月女 格 (独)農業・食品産業技術総合研究機構
食品総合研究所 食品工学研究領域 製造工学ユニット 研究員
為後 彰宏 辻学園調理・製菓専門学校 新調理技術研究室 准教授
成瀬 宇平 鎌倉女子大学 名誉教授
福田ひとみ 帝塚山学院大学 大学院 人間科学研究科 教授
森本 素子 宮城大学 食産業学部 ファームビジネス学科 教授
【参加企業(平成26年4月時点)】(五十音順記載)
株式会社おやつカンパニー、
有限責任事業組合C.P.プロジェクト、シャープ株式会社、
トクデン株式会社、株式会社中西製作所、
株式会社ヤナギヤ、株式会社ONE WORLD
【個人(平成26年4月時点)】(五十音順表記)
井上 隆 大阪府立大学 産学官研究連携推進センター リエゾンオフィス 統括コーディネーター
【事務局】
一般財団法人大阪科学技術センター (OSTEC) 技術振興部
【スケジュール】
研究会の開催は、3回/年の予定です。
【平成26年度活動予定】
これまでの活動を通じて、最終段階として、①異分野融合の促進、特に医農工連携による綜合産業化、②過熱水蒸気の用途の広さ(エネルギー生産システムとの連携)、③食育・健康調理への貢献(素材別の加工法の確立とそれの評価系の開発:素材を持つグループとの連携を目指し、以下の通り活動を目指すこととした。
(平成26年度企画-案-)
基本テーマ 「過熱水蒸気技術をベースにした食品産業の成長戦略」
第1回: H26年 5月30日(金) -研究会テーマ: 成長のためのシーズ発掘
第2回: H26年11月頃 -研究会テーマ: 成長戦略成功事例
第3回: H27年 3月頃 -研究会テーマ: 技術開発と戦略
【研究会への入会方法】
入会ご案内書(PDF)は右欄の”参加申込み”にあるPDFアイコンをクリックしてダウンロードして下さい。
※ご入会のお申し込みはいつでも歓迎致しますので(途中入会には会費減額有り)事務局、もしくは、上記関係者にご連絡下さい。
