カーボンナノコイル(CNC)について
カーボンナノコイルは特殊触媒等によって、ばねのように巻いた「らせん状」のカーボンナノチューブです。ナノチューブと同様の電気的・機械的特性に加え、電磁波吸収等に非常に優れた特性を有します。
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コイルの長さ |
約20μm |
平均線径 |
約150nm |
コイルの直径 |
約500nm |
コイルのピッチ |
約500nm |
・機械的特性 |
ヤング率:0.1TPa |
・電気的特性 |
電導度:107-108S/cm |
比抵抗:1x10-2〜5x10-3Ωcm |
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性質 |
応用用途 |
優れた強度、比重、熱安定性、熱伝導性 |
ナノスプリング、補強材、熱伝導材 |
カーボンナノチューブ(CNT)に匹敵する高い導電性 |
導電材、電極(平面ディスプレイ、電気二重層キャパシタ、燃料電池) |
電磁波に活性 |
電磁波吸収体 |
高い剛性と振動減衰性 |
工業用ロボットの構造材、スポーツ用品、音響製品、航空機 |
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【開発概要】
プロジェクトでは「制御された合成プロセスと大量合成装置開発」および「カーボンナノコイル複合高機能樹脂及び電磁波吸収剤の開発」をテーマに研究を行い、「制御された合成プロセスと大量合成装置開発」では、CNC合成試験装置を用いて大量合成プロセス開発を、触媒開発では最適触媒組成比、触媒坦持方法等を検討し、触媒活性の向上を図るための開発を行ってきました。
「カーボンナノコイル複合高機能樹脂及び電磁波吸収剤の開発」では種々の樹脂にカーボンナノコイルを分散複合化することにより、ユニークでオンリーワンの複合樹脂材料を開発し、具体的には電磁波吸収材料、制振材料、透明導電膜材料等の実用化を目指し開発を行ってきました。 |
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【制御された合成プロセスと大量合成装置開発】
1.最適触媒構造によりCNCの高効率合成を実現
2.流動床により高純度のCNCの大量合成可能
3.CNC合成試験装置の構築 |
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CNC合成用触媒のTEM像/Fe2O3粒子(粒子径100〜200nm)とSnO2ナノ粒子 |
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流動床法により大量合成された高純度のCNC |
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【CNC複合高機能樹脂の開発】
1.溶液キャスト法および溶融混錬法による樹脂への均一および配向分散技術を確立
2.フルオレン樹脂とCNCとの複合により透明帯電防止膜を開発
3.炭素繊維強化エポキシ樹脂および炭素繊維強化ポリアミド樹脂とCNCとの複合による制振材料の開発 |
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【CNC複合電磁波吸収材の開発】
1.MHz〜GHzの広帯域に対応した電磁波吸収体を開発
2.ノイズ抑制シートを開発 |
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